私とテレビゲームの関わりは、25年以上前にさかのぼります。大学院を卒業した後、日本で初めての商用CGの会社に入社、当時は、ちょうどテレビゲームの黎明期でしたが、私自身、大のゲーム好きということもあり、個人的にテレビゲームのことを詳しく知りたいと思うようになりました。世の中にはどれくらいのゲームが存在しているのか? ゲームソフトは誰が作っているのか? 調べはじめると、どんどん面白くなって、『テレビゲーム|電視遊戯大全』という1冊の本にまとめることになりました。最終的には3年もの歳月を費やすことになり、当時の会社には大赤字で迷惑をかけましたが(笑)。
まず最初に、世界のゲームのマップ作りから始めました。源流となっているゲームの構造、物語世界、それを表現する道具としてのコンピュータ、たとえば、テニスゲームやロード・オブ・ザ・リングや大型コンピュータなどを起点として、ゲームがどのように発生し、派生していったか。その先にマリオやドラクエなどが生まれるわけですが、現在のゲームを形成する幹となっている部分を明らかにしていったのです。
この『テレビゲーム|電視遊戯大全』という本を作った経験と、そのときに出来上がった当時のゲーム業界の鳥瞰図が、私の起点にあると思っています。当時、テレビゲーム業界は産声をあげたばかりで、源流にさかのぼることが可能な時代だったことも幸運だったと言えるでしょう。テレビゲーム史上きわめて重要な人物やチーム、メーカーに触れることができ、どういう組み合わせで、どんなテレビゲームが生まれてきたかを検証することができました。
現在でも、自分が作りたいと考えるゲームは、何を源流にして、どんな系譜を持ち、どの位置にあるのかを意識しています。そして、その地図の中心になりたいと強く考えています。すでに誰かがやっているものであれば、単なる真似になってしまいます。ポケモンは、最初の企画書を読んだときからポテンシャルの高さを感じていましたし、ビジネスとして成長させることができるという予感もありました。開発に長い時間をかけるだけの価値があると、信じて疑わなかったのです。


